お気軽にお問合せください
平日9:00〜18:00
お知らせ・ブログ
コラム

【コラム】屋根について その1

屋根

 

住宅を外から眺めたときに、ひときわ目立つのが屋根です。屋根は、建物などの居住空間の上部を覆う構造物です。当然、様々な機能があり、また性能が求められます。また、用途やデザイン性などにより様々な形状が考えられ、建築物とくに住宅のような小規模なものにひときわ個性的な性格を与えてくれる箇所でもあります。屋根をいかにみせるかによって住宅デザインの根幹が決まり、屋根をいかに作り込むかによって住宅性能の可否が決まる。そういった重要な箇所であるといっても過言ではありません。

 

 

屋根の機能、求められる性能

 

屋根にはものから以下に挙げられるような機能があり、またそこに合わせた性能も求められます。

 

・耐震:地震の際簡単に崩れてこないような作りとしなければなりません。また軽くて薄い金属材を屋根葺き材に使用することで、建物本体への荷重が低減されて全体的な耐震性能を向上させることにも繋がります。

 

・耐候:屋根の上は常に太陽の光や風雨にさらされ続ける場所です。強烈な紫外線や雨水、年間を通して大きく乱高下する温度差(一説には120℃とも)のある厳しい環境に耐えうる素材や作り方が重視されます。

 

・防火:屋根は建物の最頂部となります。したがって近隣で火災が起きた場合はもっとも火の粉が降りかかります。その際に燃え移ることのない素材で葺かれる必要があります。

 

・耐風:台風の多い日本では時として激しく強い風にさらされることがあります。場合によっては、屋根葺材はおろか、屋根そのものが吹き飛ばされてしまう事もあり、とくに吹き上げに対する対策がポイントとなります。

 

・遮音性:外部からの騒音、たとえば雨音などが内部に伝わらないような設計とすること。ちなみに私の自宅はわざと雨音が聞こえるような仕組みにしました。ぽたぽたと伝わる雨音は、心地よいものですが、たまにうるさく感じる時もあります。さすが設計屋の自宅です。お客様には絶対にご提案しない事を平気でやってしまいます。

 

・断熱性:夏の暑さ、冬の寒さを防ぐための措置が必要です。屋根形状または断熱方法によってよくもなり悪くもなります。

 

・メンテナンス:これまで述べてきたように、屋根の上は極めて厳しい環境である事、また素材も傷みやすい場所である事から、補修や改修を行いやすく、かつ資材は手に入れやすいものとすることがポイントとなります。

 

 

そのほかに、色調や美観を保持できるようなよい素材あるいは使い方の工夫が必要です。