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コラム

【コラム】100年住宅②

1.世代交代に対応しやすい間取り

人は生きている以上、必ず成長していきます。それは肉体的なものだけを指すのではありません。時間の経過とともに自らだけではなく、家族や周囲の人々も成長します。時代を経るごとに住まいかたも変わっていきます。

建築当初は小さかったお子さんが、10年後に大学生となった、就職したあるいはご結婚され家を出ることになった。などという事は必ず起こります。問題はその後です。そのまま納戸として使う、お子さんが帰宅した時に使われるという事であればよいのですが、お父さんの書斎として、あるいはお母さんの趣味の部屋として、場合によってはそこを店舗にして再利用したいと事例もありましたが、そういったときに適切な改修が出来ない場合があります。

この間仕切りを取り払って大きな部屋にしたい、この柱を移設して新しい家具を入れたい、などといった時に、そこが構造的に重要な壁であったり、柱であったり。2階や屋根を支える大きな梁が入っていたりすれば、改修が制限されたり、場合によっては出来ないという事もあり得ます。

 

木造だからなんとでも

「木造だからなんとでもなるよ」と主張する設計者や大工さんもいます。何事もケースバイケースだし、建物の状況にもよります。各々の技術力や考え方も影響しますが、少なくとも私は現状に大きな負担をかける改修は、安全性が担保されないのでお勧めはしません。

したがって、新築の段階、設計する時点から将来をある程度見越した計画、間取り、プランニングとしていく事がポイントとなります。

 

2.メンテナンスが容易な設備・配管計画

建築物は様々なもの・資材で出来ています。無論のこと、住宅もまったく同様で木材や金属、ビニール、化学繊維、ガラス、石膏、紙など何百、何千といった種類の材料で構成されています。これらを大雑把に分類すると構造体、仕上材、設備材の3点になります。

構造体は建物を支えるもの、仕上材は目に入るもの手や足でふれるもの、設備材は照明器具や通信など電気系統やキッチン、浴室、トイレなどを器具や配管を差します。そしてここで問題となるのは、各々の耐用年数が著しく違うことです。

 

寿命の差

木造にせよコンクリート造にせよ、高強度・高耐久のもの(扱い方にもよりますが)ですが、仕上材や設備材は毎日ふれるもの、使うもの、そして構造体を守っているものだけあってそこまで丈夫なものには出来ません。したがってどうしても寿命に差が出てきてしまいます。