【コラム】屋根について その3
寄棟
四つの方向に傾斜する屋根面をもつものをいいます。広い意味では同様の屋根をもつ建物そのもののことを指す場合もあります。単に屋根の形式を指す場合には、単に寄棟ということも多く、人や場所、四注(しちゅう)と特別に表現する場合もあります。日本では、切妻造に次いで多く用いられている形式です。
入母屋
切妻と寄棟をミックスした形式です。上部を切妻、下部を寄棟として四方向へ傾斜します。この形式は古くから使われています。土器や銅鐸といった古代の出土品から、弥生時代の竪穴式住居はこの形式であったとされ、全国各地で茅葺入母屋として復元されています。また格式高いつくりであるとされており古民家、数寄屋づくりなどはこの形式が多くみられます。
陸屋根
片流れの一種で、勾配をごく緩くして見た目には水平の形式です。水平のことを昔は陸(ろく)といったところからこの名がつきました。片流れの項目でお話したのと同様に、大きな平面であったり、高さの制限がある地域、何層にも及ぶマンションや事務所ビルなどの建物に採用される場合が多いです。住宅でも一部だけ陸屋根として、その部分をバルコニーにしたりする場合があります。