【コラム】図面は約束事のかたまり?①
設計図書
私たちビルダーはお客様よりいただいたご要望をまとめたり、決まったことを行政組織に申請したり、現場の職人さんたちに伝えるために図面を描いたり書類を作成したりします。これを厳密には設計図書といいます。設計に関する図面や書類という意味で書籍のことを指すものではありません。
図面の種類と意味するもの
以下は一般的に作成される図面と、それらがどのような意味合いをもち、使われるか解説付きでお知らせいたします。
配置図
敷地に対して建物がどのように配置されているかを表現した図面です。隣地や道路の境界線よりどれほど離れているか。真北の方向や前面道路の幅員、敷地の高低差や建物各部の高さなどが表記されます。
仕上表
お客様との打ち合わせで取り決められた建物内部、外部の仕上材料を表記した図面です。床、巾木、壁、廻縁、天井各部の下地や仕上材がまとめられており、床の高さ、天井の高さなどが記載されます。また建築概要といって、施主名や建設地、構造や床面積などを記載する場合もあります。
平面図
言わずとしれた間取りを表現した図面です。1:100、1:50といったスケールで描かれる事が多く、前者は全体の規模と計画を把握するために、後者は構造体や仕上材、設備機器、その他もろもろのとりあいや詳細が表現されます。また、建具その他の細かい納まりを検討したり、現場の職人さんに伝えるために1:20や1:10といった、もっと大きなスケールで描かれる場合もあります。
立面図
外観のデザインを表現した図面です。東西南北4方向、建物全体の形状や屋根の勾配、サッシやドアの形、サイズ、玄関の位置、各部の寸法、仕上材などが記載されます。
展開図
室内、各室内の立面図ともいうべき図面です。建具の位置やサッシのサイズ、デザインや造作の詳細、見え方や寸法などが記載されます。
矩計図
建物全体の断面詳細図です。1:20という大きなスケールで描かれることが多く、地盤面(GL)から1階床までの高さ、そこから2階床までの高さ、軒高、最高の高さ、天井の高さ、各部の仕上材、構造体と仕上との取り合いなどが表現されます。「棒矩計」といって一部分だけ描く場合もあります。
構造図
建物の構造体がどのように構成されているかを表現した図面です。平面的に描かれた図面を総称して伏図(ふせず)といいます。基礎伏図は主にコンクリートで作られる建物の基礎部分を、1階床伏図、2階床伏図は各々の梁材や床の構造を、小屋伏図は屋根の構造が表現されます。各階の床伏図はプレカット図といって製材段階の施工図で代用される場合もあるので、もしかするとお客様がご覧になる機会がない場合もあります。
以上が私たちビルダーが用意させていただく図面となります。その他、特別なデザインや特殊な工法を使用した場合に、詳細な図面を描くこともあります。1:1すなわち原寸図なるものを描いたことがありますが、なかなか迫力に満ちた図面となります。