音が気になって眠れない…増築リフォームで行った遮音対策とは?
「車の音が気になって眠れない」
「生活音が気になって落ち着かない」
「在宅ワークに集中できる部屋がほしい」
感じ方は人それぞれですが、日々の暮らしの中で、音に関するストレスは私たちが想像している以上に体と心の大きな負担になります。
家は本来、一日の疲れを癒やし、心からリラックスできる場所です。しかし、一度音が気になり始めると、「またあの音が聞こえるのではないか」と身構えてしまい、暮らしや睡眠の質にも影響を及ぼします。
音の悩みは、毎日の暮らしに大きく関わる問題なのです。
本格的な防音スタジオやシアタールームを作るような、大掛かりな防音室までは必要ないけれど、今の暮らしの中にある「音のストレス」をどうにかして軽減したい――。
そんな風に悩まれている方は、実はとても多いのです。
今回は、飯山市で行った遮音対策を伴う増築リフォーム事例をご紹介します。
■音のストレスを軽減するための増築リフォーム
今回の事例は、設計士様からご依頼いただいた大工工事です。
お施主様は電気工事業を営まれており、ご自宅の車庫(ガレージ)に隣接する部屋で生活されていました。
電気工事業の作業場を兼ねている広い車庫は音の響きがよく、車のドアの開け閉め、シャッターの開閉、ちょっとした作業をする音や振動が気になり、眠れないお悩みを抱えていました。
そこで、既存の部屋の壁を一部解体し、広い車庫の一角を利用して新たな部屋を増築することになりました。
完成後は既存の部屋と増築した部屋が二間続きとなり、3枚の引き戸で仕切れる間取りとなりました。
■増築した部屋に施した遮音対策
今回の工事で最も重視したのが遮音性能です。
室内の音対策において、職人の目線から最も重要になるのが「音の伝わり方を遮断すること」と「音を吸収して響かせないこと」の組み合わせです。
ただ壁を作るだけではなく、音の伝わり方を考慮しながら施工を行いました。
◉壁の遮音対策:異素材を重ねて厚みを持たせ、音を遮断する
外からの音を遮断するための基本であり、最も確実な方法は「壁を厚く、重くすること」です。
今回の増築部分の壁には、
・吹付け発泡ウレタン断熱材
柱の間に隙間なくウレタンを吹き付けることで、高い断熱性を確保すると同時に、空気の振動である音をしっかりと受け止めます。
・遮音シートの施工
断熱材の上から、壁全体に「遮音シート」を貼り巡らせました。これは通常のリフォームではまず入れることのない、ずっしりと非常に重い黒いシートです。この「重さ」が、音の振動を強力に跳ね返す役割を果たします。
・プラスターボード(石膏ボード)の12.5mm二重貼り
通常、室内の壁の下地はプラスターボードを1枚貼って仕上げますが、今回は遮音性を極限まで高めるために、12.5mmの厚いボードを二重に貼りました。
ウレタン、重い遮音シート、そして二重のプラスターボード。異なる性質の素材を重ねることで、車庫側から伝わってくる不快な音を抑えています。
◉床の遮音対策:下からの振動と不快な響きを鈍らせる
今回の増築部分は車庫の一部を部屋にしているため、足元(床下)からの振動や音の響きへの対策も欠かせません。
【床の構造】
床組→24mmベニア貼り→プラスターボード12.5mm→カラマツフローリング15mm
一般的な住宅では、床組とベニアの上に仕上げ材を施工します。
しかし今回は、ベニアの上にさらに12.5mmのプラスターボードを1枚挟み込み、その上から15mmのカラマツフローリングを施工しました。
床の中に硬く重いボードを1枚仕込むというこのひと手間により、下から伝わってくる細かな振動や音を軽減する効果が期待できます。
◉天井の遮音対策:一般住宅では初の吸音材による「三重貼り」
通常、住宅の天井は「プラスターボードの下地にクロス(壁紙)を貼る」のが一般的ですが、今回は遮音性能を高めるため、一般住宅ではまず見られない異例の「天井三重貼り」を行いました。
1層目: 下地の上に、壁と同様の重厚な遮音シートを隙間なく施工。
2層目: 12.5mmのプラスターボードを二重貼りにして厚みと重量を確保。
3層目(仕上げ): 仕上げ材として、厚さ9mmの「ガンメン(岩綿吸音板)」を施工。
この仕上げに使用した「ガンメン」は、一般の木造住宅で使われることは滅多にありません。主に病院の廊下や病室、公共施設の天井などに使われている公的な素材で、音を効率よく吸収する「吸音性能」に非常に優れています。
上からの音を遮音シートとボードで遮り、さらに室内に残る音や2階の床からの音をガンメンで吸い取る。
この三重の備えによって、これまでより静かで快適な室内環境を実現しました。
■既存の部屋にも行った遮音対策
今回の工事では、新しく増築した部屋だけでなく、つながっている「既存の部屋」側にもしっかりと遮音の手を入れました。
増築側だけを静かにしても、元の部屋から音が回ってきてしまっては意味がないからです。
既存の部屋の天井にも、もともとあった天井ボードの上から12.5mmのプラスターボードとガンメン(9mm)を追加施工しました。これにより、既存の部屋の天井も三重貼り構造となっています。
さらに、住まいの中で最も音が侵入しやすい窓には、「内窓(インナーサッシ)」を追加しました。
二重窓になることで、窓と窓の間に生まれた空気の層がクッションとなり、外を通る車の音や周囲の雑音を軽減する効果が期待できます。
また、内窓を設置することで、断熱性能の向上にもつながります。
既存の壁はそのまま活かし、クロスのみを張り替えています。
■遮音リフォームで大切なこと
今回の工事では、壁・床・天井・窓と、できる限りの遮音対策を行いました。
ただし、遮音対策を行ったからといって、すべての音を完全に遮断できるわけではありません。
音というものは、わずかな空気の隙間だけでなく、建物の柱や梁、骨組みといった「構造の振動」を伝っても室内に侵入してくるためです。
しかし、適切な材料選びと施工を行うことで、
・音の響きを和らげる
・振動を軽減する
・生活音によるストレスを減らす
ことは十分に可能です。
「完全防音」ではなくても、暮らしや睡眠の質を改善できるケースは少なくありません。
■暮らしに合わせたリフォームをご提案
大津工務店では、新築だけでなく増築やリフォーム、リノベーション工事も数多く手掛けています。
今回のような遮音対策リフォームはもちろん、
・増築リフォーム
・断熱改修
・内窓設置
・間取り変更
・リノベーション
など、お客様のお悩みに合わせたご提案を行っています。
熟練の大工が一棟一棟丁寧に施工し、設計図だけでは見えない細かな納まりや使い勝手にも配慮しながら工事を進めています。
「音が気になって眠れない」
「生活音のストレスを減らしたい」
「在宅ワークに集中できる部屋をつくりたい」
そんなお悩みをお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
地域の特性を知り尽くした熟練の大工職人が、ご家族が心からほっとできる、静かで快適な住まいづくりのお手伝いをいたします。
【お問い合わせ】
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