蚊里田八幡宮様改修工事(授与所、神饌所、外階段)【長野市】
長野市若槻東条にある蚊里田(かりた)八幡宮様の改修工事が完成しました。
蚊里田八幡宮は、長野市若槻地区の総鎮守であり、善光寺から見て北東に位置することから鬼門除けとしての役割を担っていると語り伝えられている神社です。
春季例祭は善光寺平一円の春の三大祭の一つに数えられ、地元民に古くから愛され、盛大に行われています。
工事中も毎日多くの方が参拝にいらしてました。
毎日同じ時間に来る方、休日は県外から足を運ばれる方もいました。
そんな由緒ある蚊里田八幡宮様の授与所、神饌(しんせん)所の改装、授与所へと続く外階段の新設工事を任せていただきました。
神社や仏閣は精巧な建築物が多く、木組みを中心とした木造建築に関する高い専門知識とスキルが要求されるため、建築や補修は通常、宮大工が担います。
しかし、今回はお部屋の中の改装工事だったこと、そして、以前トイレの改修工事を請け負ったこともあり、大津工務店に任せていただきました。
蚊里田八幡宮様HP
https://www.karitahachiman.com
■授与所と神饌所の改装
お神札(ふだ)やお守り、絵馬、おみくじ、御朱印などを授与する建物である「授与所」。
そして、神様への食事の支度をするための社殿「神饌所」。
老朽化が進んでいたこの2つのお部屋を、改装することとなりました。
改装された「授与所」では、お神札やお守りの販売もされるとのことだったので、販売窓の外側、内側には作り付けのカウンターを設置し、内側にはお神札やお守りを保管する引き出しを設置しました。
床は絨毯、壁と天井はクロス張りで明るくしています。
そして、この「授与所」では、あるお神札が販売されています。
それは、この蚊里田八幡宮に落ちた雷によって避けてしまった杉の木を使ったお神札です。
落雷に遭ったということは、“雷に選ばた杉の木”であるということ。
この御利益を多くの方にお分けしようと、雷に遭った杉の木をお神札にされたそうです。
御参拝の際は、ぜひ新しい「授与所」を覗いてみてください。
「授与所」の奥にある「神饌所」は、壁はクロス張りですが、床が畳のため、天井は和室天井になっています。
■授与所へと上がる外階段とデッキの新設
「授与所」でのお神札やお守りの販売にあたり、外階段とデッキを新設しました。
デッキ材には、主に外部デッキに使われるセラン材を使用しています。
一般的な木材(松、杉、桧)よりも堅木で強度に優れ、耐久性があるので雨に濡れても腐りにくいのが特徴です。
神社であるため、階段やデッキは見せ場になります。
しかし、古い建物であるが故、束石(つかいし)に刺さってる柱が傾いていて、動かすことができない…など、図面通りにはいかないところが多くありました。
長い年月が経った古い建物は、特に大工の経験値が要求されます。
今回も熟練の大工の技と経験値により、現場で相談しながら一つひとつ収めていきました。
授与所へと続く2段ほどの階段部分は、拝殿側の既存の床板と手すりが伸びていた箇所だったため、骨組みを組むときには、一度既存の床板の一部を外しました。
また、拝殿側の手すりも縮め、縮めた分の穴を埋めた後、元の形に戻しました。
なかなか簡単にはいかず大変でしたが、本来であれば、宮大工でなければ経験できない神社の改修工事を担うことができ、とても良い経験を積ませていただきました。
また一つ、大工としての経験値が上がりました。ありがとうございました。
■大工不足が叫ばれる中で貴重な熟練の大工職人
木造住宅・建築物施工の中核的な存在でありながら、年々なり手が減り、大工不足は深刻化しています。
そして、時代は変わり、手ノコや鉋(カンナ)などの手工具を扱える大工技術が薄れてきています。
たくさんの道具を必要とする大工仕事。
現場に持参する必要最低限の量でもこれだけの道具が必要です。
新築工事の場合はここには積み切れない道具もあるほどです。
電動工具が主流となった今、大工に求められるスキルとして、“道具をいかに使うか”が一つ重要な要素ではあります。
しかしながら、実際の現場では電動工具だけでは対応できないことも多々発生します。
電動工具も手工具も双方を扱えた上で、豊富な経験値によって、図面通りいかないところも現場で対応できる熟練の大工職人は大変貴重な存在なのです。
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