回遊性のある動線と雪への配慮をした家【飯山市 新築 M様邸】
豪雪地としても知られる飯山市に、お施主様の理想を叶えた家が完成しました。
雪国ならではの工夫を施しながら、ご夫婦の思いと思いやりが反映された他にはない動線設計に仕上がっています。
【所在地】長野県飯山市
【間取り】2階建て 2LDK+ワーキングスペース+ガレージ付
■回遊性のある動線設計
《リビング》
“どこからでもリビングに行けるようにしたい”とのご要望を受け、キッチン、食品庫(パントリー)、脱衣所、階段と回遊性を持たせる工夫をしました。
木の温もりが感じられるよう、床は明るい木目の桜を使用。
水回りとなるキッチンスペースは防水のCFシート貼りです。
《食品庫(パントリー)》
買い物してきたものを片付けやすいように、玄関とキッチンからつながる位置に食品庫(パントリー)を設けました。
玄関からもつながっているため、オーバーやコートをかけるスペースもあります。この位置にあると、帰宅時も外出時もラクですね。
《脱衣所》
コロナ禍での建築だったため、帰宅した際、菌を持ち込まずにすぐに手洗いや着替えができうるよう配慮し、玄関からリビングを通らずに脱衣所に直行できるようにしました。
花粉症もあって洗濯物は外に干さないというお話を受け、洗濯をした後、移動せずに干すことができ、乾いた後もその場で畳めるスペースも設けました。
一つの場所ですべてが間に合うと、家事効率が上がり、うれしいですね。
《寝室~クローゼット~ワーキングスペース》
寝室はリラックスして過ごせるよう、落ち着いた色合いでまとめました。
床は濃い木目のアカシアの木を使用し、クロスも暗めの色合いにしています。
“圧迫感がなく広さを感じたい”とのお話から、寝室から続くクローゼットは、扉がないオープンスペースになりました。
ご夫婦ともにスノーボードが趣味のため、ウエアなどを掛けられるように、広い空間を設けています。
クローゼットの奥は、奥様のリモートワークするためのワーキングスペースへとつながっています。
旦那様が夜勤があり、お互いに睡眠を妨げずに寝室を出入りできるように、寝室~クローゼット~ワーキングスペースに行けるように工夫しました。
廊下側にはガラスブロックを入れた小窓が付いています。
旦那様が帰宅して2階に上がってきた際、ガラスブロックから灯りが見えれば、奥様が仕事中の証。
声をかけることなく仕事中であることがわかり、リモート会議中も邪魔してしまう恐れがありません。
生活時間帯の違うご夫婦の互いへの配慮から生まれた提案でしたが、生活し始めてみるとうれしい驚きが!
夜、ガラスブロックから漏れる灯りが、透過して廊下の壁に映し出されて、とてもキレイだそうです☆
■雪への配慮
《玄関~インナーガレージ》
豪雪地のため、冬場、かなりの高さまで雪が積もることも少なくありません。
雪を被らず、埋もれず、車に乗り降りできるように、玄関から続くインナーガレージにしました。
“ボードのメンテナンスを行える場所が欲しい”とのご要望を受けて、ガレージの一角にはボード置き場兼メンテナンス部屋も設けています。
雪に濡れたボードを玄関に持ち込むことなく保管ができ、メンテナンスも行えます。
ガレージの階段下には野菜をストックできるスペースを設けました。
断熱性能が高い家は常温保存の野菜が長持ちしにくいため、外での保管をおすすめしています。
外といっても豪雪地のため、屋根があって取りに行きやすい場所を考えました。
“下駄箱を設置すると狭くなってしまう”と悩まれていたので、スペースを広く感じられるように、シューズクロークのような稼働棚をご提案しました。
扉がないので、出し入れもしやすいですね。
玄関の天井は、デザイン性があるレッドシダー(赤い杉)を採用。
全部同じ色ではなく、まだらな色合いが入口である玄関に映えます。
《外観》
雪のない季節は正面にも車を駐められ、冬場は除雪がしやすいようにコンクリートにしています。
目隠しとなる塀も作りました。
飯山市の条例により固定の塀は建てられないため(除雪時、道路脇に雪を寄せるため、塀を傷つけたり壊したりしてのトラブルを防ぐためと思われます)、必要ない時は横板を取り外せる形に工夫しています。
そして、リビング前の空間は、現在、ご夫婦でガーデンや畑にアレンジ中です。華やかになっていく姿が楽しみです。
《屋根》
雪が自然落下するよう、一方向だけに勾配のある「片流れ屋根」にしています。
■外張り断熱工法
壁を覆う断熱材は、豪雪地でも寒さを感じない30mmの厚みを採用しました。
床下には100mmの断熱材を入れることで、冬場、エアコンのみでも足元の冷えを感じず快適に過ごせます。
“冬でも家の中の最低気温が13~14度あり、寒すぎることなく快適に過ごせた”とご好評いただきました。
断熱材を家の外から張ることによって、家が丸ごと覆われた状態になるので、断熱効果が高まり、家の中の暖かさが変わります。
断熱材の厚みによって暖かさ(保温性)も変わりますが、あまりに良すぎると外気温との差が激しくなり、家の中は快適でも外へ出た時に身体がすぐに順応できず、身体への負担が大きくなるようにも感じます。
どの程度の厚さを選ぶかは、その土地の気候、住む方の身体への負担、ご予算に応じて検討されると良いと思います。
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